牡蠣食中毒の症状
牡蠣による食中毒の症状としては下記のようにいくつかあります。
口内の灼熱感
口の中が焼けたように熱くなり、熱くてひりひりするような感覚があります。
紅潮
顔に血が上って赤みを帯びます。
動悸や運動失調
個々の筋肉の運動は正常であるが、関係する神経の協調がうまくいかないために手足のひきつったりします。
ひどい場合はけいれんを起こすこともあります。
牡蠣食中毒の原因
牡蠣の食あたりを引き起こす原因として考えられているのは
貝毒・細菌(腸炎ビブリオ、大腸菌など)とウィルス。
貝毒
貝毒とは、主に二枚貝(アサリ、牡蠣など)が、毒を持った植物プランクトンを餌として食べることで体内に毒を蓄積させる現象のことをいいます。
また、蓄積する毒そのものや、その毒によるヒトの食中毒症状のことを指して貝毒と呼ぶ場合もあります。
もし毒のある貝を食べると、麻痺性貝毒の場合、食後30分で舌、唇、顔面がしびれてきます。
やがて全身に広がり、重症の場合だと、体が思うように動かなくなります。
最悪の場合、12時間以内に呼吸困難などで死亡します。12時間を超えれば回復に向かいます。
細菌
牡蠣は、海水中に存在してる細菌を取り込んでしまうことがあります。
特に大腸菌を取り込んでしまう場合が多いのですが、大腸菌が人間の体内に入り込んでしまうと、激しい下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
小型球形ウイルス(SRSV)
カキの生息域がSRSVに汚染された場合に、貝の体内にSRSVが蓄積します。
その汚染された牡蠣を食べたヒトの体内で増殖して食中毒を起こします。
SRSV食中毒は、特に11月~3月の冬場を中心として発生することが多く、通常は、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・発熱を発症しその当日は激しい症状ですが3日以内で軽くなります。
牡蠣の食中毒を予防するには
安全な牡蠣を使う
食中毒を起こさないような安全な牡蠣を購入する。
安全な牡蠣のためには殺菌された海水を使用した方法により育てた方法などが知られています。
紫外線殺菌
紫外線殺菌という方法もありますが、少々時代遅れになっています。
紫外線殺菌は、あたっている部分だけ殺菌されているので、殺菌されていない部分が残ってしまいます。
ただし、紫外線殺菌された海水を牡蠣に与え、牡蠣が吐き出したものをしっかり排水することにより殺菌している例もあります。
参考:紫外線殺菌した海水で育成した牡蠣
オゾン殺菌
紫外線殺菌に代わり、最近ではオゾン殺菌が普及しています。
オゾンで殺菌すると、全体が満遍なく殺菌されます。
参考:オゾン殺菌された牡蠣
手をよく洗う
調理前・調理中・食事の直前に、必ず石鹸で手洗います。
詳しくは手の洗い方を参考にしてください。
清潔な調理器具・食器を使う
清潔なまな板・包丁などの調理器具や食器を使っていますか?
消毒には次亜塩素酸などが有効です。
まとめ
細菌やウィルスに汚染されていない安全な牡蠣を選び、清潔な環境で調理してお召し上がりください。
食中毒を予防
食中毒をおこす細菌やウイルスの種類が違う場合でも、食中毒を予防するための共通の予防法があります。
買いものの注意点
お店選び
新鮮な食品や質の良い食品なのか、衛生的か、冷蔵・冷凍ケースがしっかり冷えているかなど気をつけます。
必要な量だけ買う
セール品に惑わされて必要以上に買うと、消費期限内に消費できない可能性が高くなります。
しかもセール品に惑わされてしまう人は、消費期限を管理できていない食品が家じゅうにあふれている場合があります。
生鮮食品は新鮮なものを買う
特に肉や魚介類、卵、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを購入します。
肉や魚介類はビニール袋へ
肉や魚介類から出る汁が他の食品に付くことを防ぐためにビニール袋を利用しましょう。
だいたい、生鮮食品売り場にありますね。
食品は車のトランクには入れない
車のトランクの中は温度がとっても高くなるので、生鮮食品は傷みやすくなります。
座席か足元に置いておきましょう。
調理前
手を洗う
食材や食器にさわる前はもちろんですが、生の肉・魚介類にさわった後や、料理の途中でトイレに行った、ゴミ箱にさわった、おむつ交換したり、ペットにふれた場合には忘れずに手を洗いましょう。
洗える食材はよく洗う
生のまま食べる野菜や果物はもちろん、魚介類も洗える場合は流水でしっかり洗います。
使う分だけを解凍する
冷凍した食品は、使う分だけを解凍し、解凍したらすぐに調理します。
一度解凍してしまった食品はなるべく早く使い切りましょう。
また、料理自体も大量に作って冷蔵庫などで保存するのもオススメできません。
カビの生えた食品は捨てる
カビの部分を取り除いて食べる方もいたりしますが、目で確認できる部分がなくなっただけです。
カビの中には健康に悪いものがありますので、カビの生えた食品は思い切って捨てましょう。
食中毒を起こせば1日中苦しんだりします。そんなことよりはカビのついた食品は捨てるべきです。
調理中
手指を整える
時計や指輪、アクセサリー、ネイルなどは手からはずしましょう。
手に傷のある人は調理しない
傷口には黄色ブドウ球菌などのウィルス・細菌が付着していることがあります。
どうしても調理する必要があれば、手袋をしたり、傷が食品に直接ふれることのないよう十分注意してください。
包丁やまな板を使う順番に気をつけよう
火を通す前など生の肉や魚介類には細菌やウィルスが付着している可能性もあります。
そこでひと工夫として、先に生野菜などの加熱しない食品を切り、そのあとで生の肉や魚介類を切ります。
肉や魚介類の汁に注意
肉や魚介類を冷蔵庫に保存する場合は、その汁が他の食品に触れないように個別の容器に入れたり、ラップを使います。
卵はすぐに
卵は傷みやすいので、殻を割ったらすぐ使います。
生の卵・肉・魚介類はしっかり加熱する
生の卵・肉・魚介類など加熱が必要な食品は、中心まで十分に加熱します。
肉やソーセージ⇒ピンク色の部分が見えなくなるまで。
魚⇒骨から身が簡単にはがれるまで焼きます。確認のために焼いた魚につまようじを刺して、色のついてない透明な汁が出てきたら、しっかり焼けています。
調理後
調理器具は使い終わったらすぐに洗う
生の卵・肉・魚介類に使った調理器具は、使い終わったらすぐに洗います。
早く洗うほど、細菌やウイルスが少ないです。また洗ったあとに、熱湯をかけると消毒効果があるので、オススメです。
食器はいつもきれいな状態を保つ
ゴキブリが食器などを入れている引き出しから出てきた、とか、ペットが食器に触れたりしないように対処します。
ゴキブリ対策については別記事を参照ください
作りおきは十分に加熱
作りおきの料理を食べる場合は、細菌やウイルスが繁殖している可能性もあるので、十分に加熱すること。
後片付け
なるべく早く洗う
食後の食器や調理器具は、放っておかず、できるだけ早く洗いましょう。
放置時間が経つほど細菌が繁殖する可能性が高まります。
スポンジやたわしもキレイに
使ったスポンジやたわしなども、使った後すぐに洗剤と流水でよく洗い、乾かしてください。
熱湯または漂白剤などを活用
包丁やまな板などの調理器具、スポンジ、ふきんなどは、熱湯または漂白剤などを使って消毒すると、殺菌の効果が高まります。
まとめ
毎年夏ごろになると食中毒が発生していますが、以上のことに気をつければ避けることができます。
面倒くさいと感じている場合は、まだ習慣化されていません。
少しずつでも慣れるようにしましょう。
手洗い
ノロウィルスやO-157などによる食中毒やかぜ、インフルエンザなどは手についたウィルスや菌が鼻や口などの粘膜から体内に入ることで感染します。
そのため、感染しないためには手を洗うということは非常に大きな効果があるのです。
手洗いはこんなに効果的
手のひらについた菌がどれだけ落とせるかということを実験したところ、
●15秒間の手洗いで1/10に減った
●30秒間の手洗いで1/100に減った
という実験結果もあります。
こんな時に手を洗います
ばい菌やウィルスなどが活発ではない場合には神経質になる必要はありませんが、冬のインフルエンザや風邪、その他MERSウィルスなどの感染症が流行る場合には、特に手洗いを励行しましょう。
トイレのあと
環境評論家の武田邦彦先生による見解によれば、「おしりを拭くとき大腸菌などの大便の菌は、トイレットペーパー8枚は通ってしまう。」ということらしい。
まぁ、大腸菌はいっぱいいそうなので、しっかり手洗いする必要があります。
人が多いところに行ったあと
コンサート会場、デパート、まつり、映画館、ホームセンターやショッピングセンターなど人がたくさんいる場所の出入り口には消毒剤が設置されていることが多いので、適宜利用しましょう。
また、帰宅後には手を洗います。
動物に触ったあと
犬や猫は道路や床に寝転んだりして、どんなウィルスや菌が付着しているかわかりません。
触ったあとは手を洗いましょう。
料理前
ウィルス入りの料理を食べてしまえば、一発で感染してしまいます。
絶対に食べ物を触る前には手を洗いましょう。
掃除・洗濯のあと
ウィルスや菌が付着していた床を掃除したり、汚染された衣類を洗濯したあとなど、ウィルスなどに触れた可能性のあので、手洗いが必要です。
手の洗い方
テキトーに洗ってしまう場合があるのですが、以下の手順でしっかり洗いましょう。
むようにして洗う
手を濡らして石鹸を付けもむようにして洗う
見落としに注意
手のひらや甲などを普通に洗います。
そして、見落としがちなのが、爪の間、指の付け根、手首の付け根ですので、意識して洗います。
すすぐ
見落としはないですか?
爪の間、指の付け根、手首の付け根まで洗ったら流水ですすぎます。
しっかりふく
キレイな乾いたタオルでしっかり拭き取ってください。
使ったタオルは乾燥しやすいようにハンガーなどにかけて干しましょう。日光消毒も効果的です。
消毒石鹸の参考画像
消毒液の作り方
ノロウイルス対策にもなる次亜塩素酸ナトリウム液は薬局などで購入できます。
しかし、買いに行くのが面倒だったり、購入から配達まで時間がかかることがあります。
そこで、
塩素系漂白剤を代用して作ることができます。
手で直接触れる部分の消毒
おもちゃ、調理器具、直接手で触れる部分などの消毒をする場合は濃度 0.02%の消毒液で消毒します。
500mlのペットボトルなら0.1ml混ぜればよいです。
ちなみに小さじ一杯で5mlなので、その1/50です。ほんとにちょっとです・・・
手で直接触れない部分の消毒
便や嘔吐物が付着した床や衣類、トイレなどの消毒をする場合は濃度 0.1%の消毒液を使います。
それぞれの濃度で作った消毒薬をスプレーボトルに入れて家じゅうを消毒してください。
スプレーボトル参考画像
まとめ
何かのウィルスやインフルエンザ、風邪などが流行りだしたら、「手洗い」や「塩素系漂白剤を代用できること」を思い出して、感染を未然に防いでください。
発症から回復まで時間を追って確認してみます。
食中毒の症状
食中毒が発症してしまうと、主に次のような症状がみられます。
下痢
特に、便に血が混ざっている場合は、赤痢やO-157などの感染による重篤な食中毒の疑いがあるので医療機関での受診が必要です。
嘔吐
ウイルスが胃腸に入り込んで、胃腸の働きを悪くするために、嘔吐したり、下痢をしたりします。
ロタウイルス・アデノウイルス・ノロウイルスなどが原因の場合があります。
腹痛
激しい下痢や血便など血液が混ざっている場合は、早めに受診してください。
発熱
自分的にダルいとか、気分が悪い、意識が朦朧とするなどの症状が出たりします。
「家族の車で医療機関に行く」なんてゆとりのないときは、救急車を呼ぶ方がいいです。
受診する前の準備
原因がわかっていない段階では、ノロウイルスのように空気感染するウイルスの可能性も否定できません。
まずは手や口の周りをしっかり洗い、マスクをして受診しましょう。
実は他の患者も空気感染するようなウィルスを持ち込んできているかもしれませんので、自分もうつされないように防御しましょう。
医療機関を受診する
食中毒の原因はほとんどが飲食によるものなので、同じ時間帯に飲食した人が同じ様な症状になっている人がいないか確認してみましょう。
この情報は後で受診するときに医師が原因を特定するのに手助けとなります。
原因がよくわからないのであれば、自己判断は禁物で、医師の診断が必要なので、なるべく多くの情報を医師に提供する方がよいでしょう。
現在薬を服用しているとか、アレルギーがるとか、別の病気に感染しているなどを医師に伝えることで、誤診を予防することができます。
医師の指示に従う
受診することで多少は落ち着きを取り戻すことができると思いますので、あとは医師の指示に従って休養します。
下痢の症状もあると思うので、利尿作用のあるカフェインは控えて、スポーツ飲料や
経口補水液などを飲むように指示されるでしょう。
清潔に保つ
休養中は体も弱っているし、他の人からうつされないためにも、普段よりも清潔にすることを心がけましょう。
便や吐いた物に触れない
ウィルスがたくさんついているので、食中毒患者の便や吐いた物にさわった場合は、消毒をする。
調理について
食中毒の人は調理しない。あるいは食中毒の恐れのある人は調理をしない。
調理しながらくしゃみでもやってしまうと、また感染が広がってしまいます。
熱湯消毒
食中毒患者が使った食器や調理器具は、洗剤で洗ったあと、用心のため
熱湯で消毒する。
洗濯について
食中毒患者の衣服を一緒に洗ってしまうと、感染が広がってしまうので別に洗う。
お風呂・シャワー
食中毒患者が入浴する場合、家族が入浴した後にする。
残り湯は使わない
食中毒患者が入浴したら、残り湯を洗車や洗濯に使ったりせずに、排水すること。
まとめ
食中毒患者になってしまったら、自分の周りに感染を広げず、しっかりと医師の指示に従うことです。